福嶋亮大『復興文化論』
《感想》復興へのアプローチ
【読書】
面白い☆ まずは5、6章を実に興味深く読んだ。
【読書】福嶋亮大『復興文化論』(1)
「復興」をテーマにした文化論であり、福嶋さんが文芸批評家としての立ち位置を貫いたことを東浩紀さんは首を縦に振るかどうか分からないが、東さんたちとはまた違った「復興」への働きかけとして、粘り強く、秀逸な仕事だと思う。
【読書】福嶋亮大『復興文化論』(2)
「この美しい文化の時代〔白鳳文化〕が、実は白村江の敗戦とともに始まったという事実(中略)近代にいたるまで、日本文化はつねに復興文化として発展してきたように思われるのだが、その原型が古く七世紀に始まっていたということは興味深い」(山崎正和)
【読書】福嶋亮大『復興文化論』(3)
山崎氏のこの発言は、僕も新聞か何かで読んだ記憶があり、安易に政治利用されるとマズいと思った。しかし福嶋さんが歴史を遡って、このテーマを本書で丹念に論じ上げたことで、安直な政治利用を避け、「復興」の方向性にアクチュアルな示唆を与えられると思う。
【読書】福嶋亮大『復興文化論』(4)
歴史的な知識について、学校で教わるだけでは気づかないことが多々ある。例えば、「明治維新があくまでも王政復古(リストレーション)であって市民革命(レボリューション)でなかったことは、ここで今一度思い出しておく価値がある」。言われてみればその通り。
【読書】福嶋亮大『復興文化論』(5)
あるいは「夏目漱石は〈日露〉戦後の文学者である」と言われると、はっとする。
【読書】福嶋亮大『復興文化論』(6)
戦後、復興ということを意識して綴られた福嶋さんの文学史解釈、漱石→太宰→川端・乱歩→三島 / 安吾→(ディズニー)→ 手塚⇔宮崎 / 春樹 この流れの論説は説得力があった。
【読書】福嶋亮大『復興文化論』(7)
言われてみれば当たり前だけど、「ミッキーマウスの翻訳としての鉄腕アトム」、「宮崎駿と手塚治虫の対比」などは、僕が見逃していた重大ポイント。目から鱗。
【読書】
いい読書だった☆
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